Ansibleでファイルのバックアップを作成する
Ansibleでファイルをバックアップしたいことがある。
失敗することを考えるとバックアップは一度だけ実行したい。
シェル上ならばcpするときに -n
を指定すれば2回め移行は上書きされないことを保証できる。
-n, --no-clobber do not overwrite an existing file (overrides a previous -i option)
Ansibleでも同じようにshellモジュールで実行すればよいという話もあるが、
可能な限りshellを避けるべきだと思う。 --diff
で差分でないし。
そこでマニュアルとにらめっこして考えだしたのが以下となる。 http://docs.ansible.com/ansible/latest/copy_module.html
copy: src: /path/to/src_file dest: /path/to/dst_file remote_src: yes force: no
remote
でサーバ上のファイルを指定してバックアップできる。
force
で上書きしないようにできる。
ansible iptables `state=absent` が動かない。
ansibleのモジュールiptablesで'state=present'が機能しない。
ansibleでiptablesをメンテナンスしようとおもい、以下のモジュールを利用したが、どうにも state=absent
が動かない。
iptablesモジュールのソースを追ってみたところ、以下のようにchangedを判定しているのだが、
# /usr/lib/python2.6/site-packages/ansible/modules/extras/system/iptables.py def check_present(iptables_path, module, params): cmd = push_arguments(iptables_path, '-C', params) rc, _, __ = module.run_command(cmd, check_rc=False) return (rc == 0)
この -C(--check)
はどうやら最近のiptablesしか持っていないようで、これがうまく機能しないため、changedは常にfalseになるようだ。
$ cat /etc/redhat-release CentOS release 6.4 (Final) $ sudo iptables --check INPUT -p tcp -s 0.0.0.0/0 -d 0.0.0.0/0 -j REJECT --destination-port 25 iptables v1.4.7: unknown option `--check' Try `iptables -h' or 'iptables --help' for more information.
ソースを追わないと気づけないのが問題だと思う。↓
return (rc == 0)
css changes not synced for heroku django based app on virtualbox shared folder.
概要
virtualbox上でherokuのアプリを作っていたのだが、共有フォルダにソースを置いてホストOS上からCSSをいじるとなぜかうまく反映されないため困った。 Webサーバを再起動したりキャッシュっぽいファイルを手当たり次第に消したりしてみたが、いっこうにうまくいかない。 gunicornやwhitenoiseを疑って見たものの特に関係なさそうだった。
結論としてはherokuもgunicornもwhitenoiseもdjangoも関係なかった。 virtualboxのバグらしい。 www.vagrantup.com
ホストOSではなくクライアントOSからファイルを編集すると問題なく反映されるあたりで疑って調べ始めてすぐわかったのでよかった。
対応方法
gunicornを使っている場合は以下のように--no-sendfile
をつけて起動すればsendfileを無効化でき、バグを回避できる。
$ cat Procfile web: gunicorn proj.wsgi --no-sendfile
PostfixのmaillogのFromとToを結合する。
PostfixのmaillogのFromとToを結合する。
Postfixのログを調べるときに一つのメールの行方を追うだけならすごく簡単だが、 複数まとめて検索したいときに面倒くさいのはログ上のFromとToが別の行になっていることだろう。
Feb 9 17:32:04 server001 postfix/qmgr[27385]: 000E21A124F: from=<test@example.com>, size=2414, nrcpt=2 (queue active) Feb 9 17:32:04 server001 postfix/smtp[7790]: 000E21A124F: to=<test@example.com>, relay=1.1.1.1[1.1.1.1]:25, delay=0.11, delays=0.04/0/0/0.06, dsn=2.0.0, status=sent (250 2.0.0 589c29044d9318 Message accepted for delivery) Feb 9 17:32:04 server001 postfix/smtp[7790]: 000E21A124F: to=<test@example.com>, relay=1.1.1.1[1.1.1.1]:25, delay=0.11, delays=0.04/0/0/0.06, dsn=2.0.0, status=sent (250 2.0.0 589c29044d9318 Message accepted for delivery) Feb 9 17:32:04 server001 postfix/qmgr[27385]: 000E21A124F: removed
ちなみに一つのメールのログはqueueidで紐づいている。
この例の場合は 000E21A124F
がqueueidである。
泥臭い方法で実装するならば、queueidを全て抜きだして、その数だけgrepして結果を加工する方法がある。 当然ながら時間がかかりすぎる。
join
コマンドを利用することでもう少し賢くできる。
こんな感じにする。
$ sudo grep ': from' /var/log/maillog | awk '{print $6,$7}' | sort > from.txt $ sudo grep ': to' /var/log/maillog | awk '{print $6,$7,$12}' | sort > to.txt $ join from.txt to.txt
fromもtoも$6にはqueueidが入る。 joinは先頭が一致する行同士を結合してくれる。
問題としては、queueidは使いまわされることがあり、1日ぐらい経つと同じものが使われていることがある。 毎日ログをローテションするなりすれば良いと思われる。その場合に日をまたいだメールとかがあると取りこぼすのも注意が必要。 そしてその場合もqueueidに日付文字列を加えれて複数の日付のログを一度に処理することで問題が解決される気がする。
.ssh/configに記載されたホストをタブ補完する
.ssh/configに記載されたホストをタブ補完する
概要
ssh実行時に.ssh/configに記載されたホスト名を補完したいなぁとおもったのでやってみた。
同じことは他の方もやっていたので、それを参考にした。その結果ほとんどオリジナリティはない。
あくまで一例として。
参考
.ssh/config 設定内容(サンプル)
.ssh/config
HOST host001 HOSTNAME 1.1.1.1 HOST host002 HOSTNAME 1.1.1.2
.bashrcへの追記内容
.bashrc
_ssh_comp_func () { local cur cur=${COMP_WORDS[COMP_CWORD]} COMPREPLY=($(grep 'HOST ' .ssh/config | awk '{print $2}' | grep "${cur}")) } complete -F _ssh_comp_func ssh
curに現在の補完中のホスト名が入る。
補完が進むと補完候補が少なくなるように grep "${cur}"
している。
わざわざダブルクオートで囲んでいるのはcurに何も入っていないときにエラーが出るのを防ぐためである。
これを応用すると結構好き勝手補完できるようになって便利かもしれない。
abrtdを使用している時は `ulimit -c` は効かない
abrtdを使用している時は ulimit -c
は効かない
背景
Postfixの認証を担っているsaslauthdがクラッシュしてコアを吐いたのだが、設定が悪く保存されなかった。 再発した時にちゃんとコアが保存されるように設定する過程でネットで調べた情報が一部自分の環境(CentOS release 6.6)には適用されないことがわかった。
課題
表題の通り ulimit -c
によるcore file sizeの上限が適用されないことが分かった。
soft limitの値が0、つまりコアを保存しない、という設定は適用されない。
結論
結果から言えば、CentOSはコアをabrtdというデーモンが受け取ってファイルに書き込む設定になっている。 abrtdが生成するコアのファイルサイズはulimitが指定する値は適用されない。
説明
以下のようにsaslauthdの Max core file size
のsoft limitは0、hard limitはunlimitedである。
ということは本来saslauthdのコアは破棄されることになる。
$ ps aux | grep saslauth[d] root 2710 0.0 0.0 69948 1088 ? Ss 20:06 0:00 /usr/sbin/saslauthd -m /var/run/saslauthd -a httpform -c -t 60 root 2712 0.0 0.0 69948 772 ? S 20:06 0:00 /usr/sbin/saslauthd -m /var/run/saslauthd -a httpform -c -t 60 root 2713 0.0 0.0 69948 772 ? S 20:06 0:00 /usr/sbin/saslauthd -m /var/run/saslauthd -a httpform -c -t 60 root 2714 0.0 0.0 69948 772 ? S 20:06 0:00 /usr/sbin/saslauthd -m /var/run/saslauthd -a httpform -c -t 60 root 2715 0.0 0.0 69948 772 ? S 20:06 0:00 /usr/sbin/saslauthd -m /var/run/saslauthd -a httpform -c -t 60 $ sudo cat /proc/32411/limits | grep core Max core file size 0 unlimited bytes
しかし以下のように SIGABRT
をプロセスに入れるとコアが生成される。
$ kill -ABRT 2710 $ sudo tail /var/log/messages Jan 23 20:08:24 test001 abrtd: Directory 'ccpp-2017-01-23-20:08:24-2710' creation detected Jan 23 20:08:24 test001 abrt[2756]: Saved core dump of pid 2710 (/usr/sbin/saslauthd) to /var/spool/abrt/ccpp-2017-01-23-20:08:24-2710 (1101824 bytes)
生成される事自体は問題ないが、 ulimit -c
の値が適用されないのは気持ちが悪い。
調べた過程は省くがCentOSの場合は以下のような設定が適用されているため効かないようだ。
$ cat /proc/sys/kernel/core_pattern |/usr/libexec/abrt-hook-ccpp %s %c %p %u %g %t e
これでabrtdにコアが渡されている。
https://linuxjm.osdn.jp/html/LDP_man-pages/man5/core.5.html
このファイルの最初の文字がパイプ記号 (|) であれば、 その行の残りの部分は実行するプログラムとして解釈される。 コアダンプは、ディスク上のファイルに書き込まれるのではなく、 プログラムの標準入力として渡される。 以下の点に注意すること。
このあたりでコアを標準出力でパイプを介してabrtdに渡しているから core file size
が効かない(ファイルじゃないから)ということが薄々わかる。
あとはRedhatのabrtdのマニュアルを少し読み込むと以下のような記載がある。 https://access.redhat.com/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Deployment_Guide/sect-abrt-configuration-abrt.html
MakeCompatCore = yes/no This directive specifies whether ABRT's core catching hook should create a core file, as it could be done if ABRT would not be installed. The core file is typically created in the current directory of the crashed program but only if the ulimit -c setting allows it. The directive is set to yes by default.
Coreとの互換性をもたせるオプション MakeCompatCore
がyesの場合は ulimit -c
が許可する場合だけコアを吐くようにできるとのこと。
つまり互換性を設定で有効にしない限り core file size
の制限は効かないのが普通の動作だよ、ということである。
よく見ると、デフォルトでyesって書いてあるけど・・・? まぁいいか。
powerdns+dnsdistの構築
powerdns+dnsdistの構築
概要
もともとpdns(権威DNS)が動作していた環境にdnsdistを導入した。 以下のような構成。
+ | 53/udp | +--------------+ | +----v-----+ | | | | | | | dnsdist | | | | | | | +----+-----+ | | | 10053/udp | +----v-----+ | | | | | | | pdns | | | | | | | +----------+ | +--------------+
大量のクエリでpdnsがパンクするという障害を起こしたため、それの対策としてdnsdistによるQuery Per Second(QPS)の制限を入れた。
苦労した点
geobackend(既に開発が止められている拡張機能)にリゾルバのIPが伝わらないという問題を回避するための設定に苦労した。
geobackendはリゾルバのIPが所属する地域毎にレスポンスを変えることができる機能だが、pdnsが受け取るDNSリクエストはdnsdist経由で受け取るため、接続元IPアドレスがdnsdistが実行されているホスト(上記の構成ではlocalhost)のものになってしまう。
この問題はEDNS0をdnsdistとpdns間で強制することで解決できた。 EDNS0の一部であるedns-client-subnet (ECS)はRFC7871で定義されており、このECSが有効なリクエストであればdnsdist越しであってもpdnsがクライアント(リゾルバ)のIPを特定できる。 またgeobackendは以下のissueでECSに対応していることが確認できた。 https://github.com/PowerDNS/pdns/issues/1482
そして、dnsdist上のECSを有効化する設定方法については以下のML上のやり取りが非常に参考になった。 https://mailman.powerdns.com/pipermail/dnsdist/2016-September/000216.html
You can pass the full client IP address using EDNS0 client subnet extension (https://tools.ietf.org/html/draft-ietf-dnsop-edns-client-subnet-08). newServer({ ... useClientSubnet=true .. }) setECSOverride(true) setECSSourcePrefixV4(32) setECSSourcePrefixV6(128)
dnsdistのインストール
dnsdistのインストールはrpmで入れたが、公式が案内する通りの方法でインストールできたため、ここでは書かない。
設定
pdns
- ECSを有効化(edns-subnet-processing)
- pdnsを53から10053に変更(local-port)
$ diff pdns.conf pdns.conf.20161221 80c80 < edns-subnet-processing=yes --- > # edns-subnet-processing=no 135c135 < local-port=10053 --- > # local-port=53
dnsdist
- ECS有効化および強制(useClientSubnet=True, setECS*)
- QPSの制限(addAction(MaxQPSIPRule())
-- balancing all packets to local pdns server newServer({address="127.0.0.1:10053", useClientSubnet=true) -- EDNS settings setECSOverride(true) setECSSourcePrefixV4(32) setECSSourcePrefixV6(128) -- enable control socket for dynamic configration controlSocket("0.0.0.0") -- allow access from everyone addACL("0.0.0.0/0") -- QPS for remote clients addAction(MaxQPSIPRule(100, 28, 64), DropAction())
動作確認
以下のように外部ホスト上のリゾルバ経由でednsが有効/無効なクエリを行い、ログを確認する。
$ dig ${geobackendが効いているレコード} +noedns $ dig ${geobackendが効いているレコード} +edns=0
ednsが有効か無効かにかかわらず、以下のようなログがでる。 /var/log/messages
Dec 27 17:31:52 dns001-v pdns[9116]: Remote 127.0.0.1<-x.x.x.x/32 wants '***|TXT', do = 0, bufsize = 512: packetcache MISS Dec 27 17:31:52 dns001-v pdns[9116]: [geobackend] Serving *** CNAME *** to x.x.x.x/32 (392)
noednsでクエリを投げてもdnsdistとpdnsの間はEDNS0が強制されることを確認できた。
番外編: powerdnsとEDNS0とTCPフォールバックの関係
DNSを運用する上では当然の知識らしいが、 DNSはUDPで通信を行い、最大長は512bytesであるらしい。 512bytes以上のDNSへのリクエストはTCPフォールバック(UDPではなくTCPで通信を行う)を使用するか、EDNS0で拡張されたプロトコルを使用する必要がある。
powerdnsはEDNSがデフォルトで有効になっているので、512bytes以上の通信をEDNSを使ってUDPで行うことができるが、実は1680bytes以上の通信はTCPフォールバックさせる。
これは以下に記載されているとおりリフレクション攻撃の影響を小さくするためであるらしい。
https://doc.powerdns.com/md/authoritative/settings/
udp-truncation-threshold Integer Default: 1680 EDNS0 allows for large UDP response datagrams, which can potentially raise performance. Large responses however also have downsides in terms of reflection attacks. Up till PowerDNS Authoritative Server 3.3, the truncation limit was set at 1680 bytes, regardless of EDNS0 buffer size indications from the client. Beyond 3.3, this setting makes our truncation limit configurable. Maximum value is 65535, but values above 4096 should probably not be attempted.
udp-truncation-thresholdの値を大きくすれば(最大で4096bytes?)より大きなサイズの通信をUDPを介して行うことができるようになる。